橋梁の種類を解説!構造形式で分かる5つの橋の違い

橋梁の基礎

はじめに

前回の記事では、橋梁の定義や基本的な構造について解説しました。【内部リンク:橋梁とは何か?】

今回はいよいよ「種類」の話です。一口に「橋」といっても、形や構造はさまざまです。川を渡るシンプルな橋から、海をまたぐ巨大な橋まで、橋梁の世界には実に多くの種類があります。

この記事では、橋梁の種類を「構造形式」という切り口で分類し、代表的な5種類を解説します。きっとあなたが一度は見たことのある橋も登場しますよ。


橋梁はどうやって分類するのか?

橋梁の分類方法はひとつではありません。大きく分けると以下のような切り口があります。

  • 構造形式:橋がどのような仕組みで荷重を支えているか
  • 材料:鋼・コンクリート・木材など、何で作られているか
  • 用途:道路橋・鉄道橋・歩道橋など、何のために使われているか

この記事では、最も基本的な分類である**「構造形式」**に絞って解説します。構造形式とは、橋がどのような力の流れで荷重を支えているか、という観点での分類です。


構造形式による5つの種類

① 桁橋(けたばし)

桁橋は、橋梁の中で最もシンプルな構造です。横に渡した「桁(けた)」と呼ばれる部材が、上からかかる荷重を両端の橋脚・橋台へ伝えます。

構造がシンプルなため施工しやすく、コストも抑えられることから、日本全国で最も多く使われている橋梁形式です。身近な道路橋の多くは、この桁橋です。

さらに詳しく分類すると、鈑桁橋(ばんけたきょう)・箱桁橋(はこげたきょう)などの種類があります。

なお、桁橋は橋の基本構造として非常に普遍的であり、該当する橋があまりにも多く存在するため、この記事ではあえて代表例を挙げません。あなたの身の回りにある多くの橋が桁橋である、と覚えておいてください。


② トラス橋(とらすきょう)

トラス橋は、三角形を組み合わせた骨組み構造(トラス)で荷重を支える橋です。三角形は力学的に非常に安定した形であるため、少ない材料で大きな荷重に耐えることができます。

鉄道橋や古くからある道路橋に多く採用されており、その独特の骨組みの見た目から、橋梁の中でも特に印象的な外観を持ちます。

さらに詳しく分類すると、ワーレントラス・プラットトラスなどの種類があります。

代表例:関西国際空港連絡橋(大阪府) 関西国際空港と本土を結ぶ全長約3,750mの連絡橋で、上部が道路・下部が鉄道の二層構造になっています。雄大なトラス構造が視覚的にも印象的な橋です。


③ アーチ橋

アーチ橋は、曲線状のアーチ構造で荷重を支える橋です。アーチが荷重を圧縮力として両端の地盤や橋台へ伝えることで、大きな力に耐えることができます。

古代ローマ時代から作られてきた歴史ある橋梁形式であり、その美しい曲線は景観的にも高く評価されています。石造りのアーチ橋は特に有名で、観光スポットになっているものも多くあります。

さらに詳しく分類すると、ランガー橋・ローゼ橋・タイドアーチ橋などの種類があります。

代表例:眼鏡橋(長崎県) 江戸時代に作られた石造りのアーチ橋で、水面に映った姿が眼鏡のように見えることからこの名がついています。日本最古の石造りアーチ橋として国の重要文化財に指定されています。


④ 吊り橋(つりばし)

吊り橋は、塔(主塔)から張った太いケーブル(主ケーブル)で橋桁を吊り下げる構造の橋です。ケーブルが荷重を引張力として主塔へ伝えることで、非常に長いスパンでも橋を架けることができます。

長大橋に適した構造であるため、海峡や大きな湾を渡る橋に多く採用されています。

さらに詳しく分類すると、自碇式(じていしき)などの種類があります。

代表例:明石海峡大橋(兵庫県) 世界最長の吊り橋として知られ、本州と淡路島を結ぶ全長3,911mの巨大橋梁です。本州四国連絡橋の一部として1998年に開通しました。


⑤ 斜張橋(しゃちょうきょう)

斜張橋は、塔から斜めに張ったケーブルで直接橋桁を支える構造の橋です。吊り橋と見た目が似ていますが、ケーブルの張り方と力の伝わり方が異なります。

吊り橋が主ケーブルから垂直に吊り下げるのに対し、斜張橋は塔から斜めに直接橋桁へケーブルを張ります。施工性・経済性に優れており、現代の長大橋に多く採用されている形式です。

代表例:多々羅大橋(広島県・愛媛県) しまなみ海道に架かる多々羅大橋は、完成当時世界最長の斜張橋として知られた橋です。海を渡る美しい姿は、しまなみ海道を代表する景観のひとつとなっています。


5種類を一覧で比較

種類特徴代表例
桁橋最もシンプル・普及率が高い(身近な橋の多くが該当)
トラス橋三角形の骨組みで支える関西国際空港連絡橋
アーチ橋曲線の美しさと歴史がある眼鏡橋
吊り橋長大橋に適したケーブル構造明石海峡大橋
斜張橋斜めケーブルが特徴的多々羅大橋

まとめ

この記事では、橋梁の構造形式による5つの分類を解説しました。ポイントを整理すると次の通りです。

  • 橋梁の分類には構造形式・材料・用途など複数の切り口がある
  • 構造形式で分けると、桁橋・トラス橋・アーチ橋・吊り橋・斜張橋の5種類が代表的
  • それぞれ力の伝わり方と見た目が大きく異なる

次回は、橋梁の別の切り口についてさらに掘り下げていきます。お楽しみに。

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